【ゼニゴケの雌器托】嫌われ者のゼニゴケの意外な姿。

この写真の傘のような不思議な形をした植物は、苔の中でも鑑賞対象になる事は稀で駆除の対象になることが多いゼニゴケの一部分です。よく「ゼニゴケの花」と呼ばれる事もあり見方によっては憎めないキュートな形をしていませんか!? 私は蛙の手と表現することが多いのですが、皆さんにはどのように見えるのでしょう。

これはゼニゴケの花ではなく「雌器托」という部分で、ここで子孫を作ります。この蛙の手の形をした傘の下には「造卵器」という器官があり、受精し成熟すると最終的にはここから胞子が出てきます。機能的には植物の花と似ていて子孫を残す器官です。

建物の北側や駐車場など日陰に生えていて駆除の対象になる事の多い「ゼニゴケ」ですが、草花のように春になると花のような物を咲かせるんですよ。ちなみにゼニゴケは雌雄異株で雄株にも傘のような雄器托という部分が発生し、こちらも可愛らしい形をしています。

そしてぜニゴケの駆除が厄介なのは、この雌器托が成熟する前に除去してしまえば良いという訳ではない事です。なぜなら、よく街中で見かけるゼニゴケの多くは雌器托から生まれた有性生殖の子孫ではなく、クローンのような無性芽というので増殖すると考えられています。そのため、多くのコロニー(群落)は雌雄どちらかの株しか見ることがありません。

ゼニゴケは環境が合っていると無性芽を大量に作り爆発的に生息範囲を広げていき、当たり一面ゼニゴケになってしまう事も珍しくありません。まさにその環境に適した遺伝子を持ったクローンが増殖するのですから、駆除が大変なのは言うまでもありませんね。