かつて民間薬として利用されていたサルオガセのお話し

これから話す内容は、 “民間薬” として使われていたサルオガセについて書いています。あくまで民間薬という位置づけですから、効果効能や安全性が化学的に立証されたものでは無いので、決して試したりしないでくださいね。

まずサルオガセの自生している場所は、比較的標高の高い冷涼な山地の針葉樹の枝にからぶら下がるように生えています。見た目は木の枝にかかるレースやガーゼのように見え、霧の多い亜高山帯に藻のような姿で自生している事から「霧藻」と呼ばれる事もあります。

サルオガセは漢字で書くと「猿麻桛」と書き、「麻桛(おがせ)」とは麻を巻き取る「桛(かせい)」という道具のことです。ようするに木の枝に巻き付いたサルオガセを、山に住むお猿さんが麻糸を巻き取る作業をした跡と見立てて名付けたのでしょう。私はこの事を知るまでは猿の「シッポ(尾)」が由来だと思っていました。

そして医薬品が今のように簡単に手に入らない時代には、民間薬として「鎮咳や去痰、利尿、解熱」を目的として民間療法に使われていた過去がありました。またウスニン酸という抗生物質が含まれている事から外用薬として、腫物や化膿性の外傷にも使用していたそうです。

しかし現在はもっと合理的で安全性が高くエビデンスのしっかりした医薬品があるため、サルオガセを薬として使うベネフィットは皆無です。そればかりか、ウスニン酸が含まれるダイエット食品による肝臓障害が副作用として報告されています。

最後にサルオガセを薬と捉えた、こんあ噂話を聞いたことがあります。 “女性のヒステリーと男性の浮気性に効果がある” という冗談なのか体験談なのか、不思議で面白いお話しでした。くれぐれも興味本位で、サルオガセを薬として試さないでくださいね。