見た目の色が変わる葉状地衣類の不思議

地衣類のなかでも特に葉状地衣類の仲間が分かりやすいのですが、観察する日によって明らかに色が違って見える事があります。

これらの地衣類は体の構造から、雨など水に濡れ水分を含むと見た目の色が変わるのです。だから日によって水分を含んでいる時とそうでない時では、見た目の色が違って見えてしまいます。

上の写真の地衣類の緑色の部分が濡れているところで、灰色の部分が乾燥している部分です。

雨などで濡れると色が変わって見える理由は、地衣体の表面にあたる上皮層は乾燥していると光を通さず反射して、その下にあるは共生藻からなる藻類層は見えません。しかし地衣体が濡れる事により上皮層の透明度が上がり、下層に位置する藻類の色が透けて見えるためです。

例えると、色の薄い生地が雨で濡れると、下の生地の色が透けてしまう現象を思い浮かべてもらえると分かりやすいですね。

この様な構造になっている理由は、雨に濡れた時だけ太陽光を藻類層まで通過させて生産活動を促し、水の無い乾燥期は太陽光を反射し、熱や紫外線などから藻類を守っているのではと推測されています。

上の写真はツメゴケの乾湿の状態です。左側が乾燥状態で、右側が湿潤状態です。

上の写真はカブトゴケの乾湿の状態です。左下側が乾燥状態で、右上側が湿潤状態です。

この様な乾湿で色が変わるのは葉状地衣類だけでなく、他の地衣類でもじっくり観察すると乾湿での色の差を確認できます。痂状地衣類のツブダイダイゴケも雨に濡れると色が変わる事で知られていますね。